愛知で2展示会開催 次世代エネ活用・製造現場先進化

(2024/6/6 05:00)

スマートシティー(次世代環境都市)関連製品・技術の展示会「AXIA EXPO 2024」(日刊工業新聞社、愛知県、中部圏水素利用協議会など主催)と、製造現場の先進化に貢献する製品の展示会「スマートファクトリーJapan2024愛知」(日刊工業新聞社主催)が、愛知県国際展示場(アイチスカイエキスポ、愛知県常滑市)で開催中だ。講演やセミナーなどのイベントも行われたほか、各社は次世代エネルギー活用などに関する技術を来場者に訴求した。(総合1参照、名古屋・鈴木俊彦、狐塚真子)

AXIA EXPO

燃焼技術で環境負荷減

  • アンモニア利活用技術を紹介したIHI

「AXIA EXPO 2024」では次世代エネルギーの利活用技術に関する展示が目を引いた。IHIはアンモニア利活用技術の取り組みを紹介。アンモニアは石炭火力発電に混焼させることでも、二酸化炭素(CO2)排出量を抑えられる。愛知県碧南市にあるJERA碧南火力発電所4号機で、燃料の20%をアンモニアとする石炭火力発電の実証試験を行っているとあって、試験概要について熱心に質問する来場者の姿が見られた。また、液体アンモニアの100%燃焼によるガスタービン技術を通じたCO2フリー発電も提案している。

水素の利活用を提案している川崎重工業は、水素専焼ドライ式低窒素酸化物(NOx)燃焼技術を紹介。同技術を用いた燃焼器は、多数の小さな孔から燃料を小分けにして噴射し、燃焼する。今後一層のNOx低減とともに、天然ガスとの混焼を進めることで環境性能向上を目指す。国内外で受注や導入計画の状況を示す地図も掲示し、食品、化学、石油、製紙関連など幅広い分野に向けてアピールしていた。

中部電力は、メタンの熱分解による「ターコイズ水素」の生産の取り組みを推進する。豪ヘイザーのコア技術を活用することで、天然ガスを原料に、水素と固体炭素の同時生産が可能になる。固体炭素の供給先が確立されれば、水素の利用拡大に向けて重要な価格の低減にもつながるとみる。

スマートファクトリー

社員スキルを効率管理

  • 水素活用に関する講演は好評だった

脱炭素化など、経営環境が変化する中、社員の計画的な育成・管理体制も求められる。「スマートファクトリーJapan2024愛知」では、Skillnote(東京都千代田区)が、従業員のスキル管理システム「Skillnote」を出展。技能や資格に関する情報を可視化し、育成計画の立案や適切な人員配置を実現できることから、製造業を中心に導入が進む。クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を展開するSmartHR(東京都港区)も、スキル管理機能を追加。従業員も自身のスキル情報を提出・更新できるようにし、情報収集の効率化を図った。

(2024/6/6 05:00)

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