アスリートFA、ボールマウンター AIに照準

(2024/9/9 12:00)

  • アスリートFAが製造するボールマウンター装置

アスリートFA(長野県諏訪市、山崎晋社長)は、半導体後工程製造装置や工場自動化(FA)設備を開発・設計・製造する。半導体のウエハーに電極となる微細なハンダボールを自動で配置するマイクロボールマウンター装置などを製造し、国内外の製造現場の自動化に貢献している。顧客の仕様に合った設備を納品しながら自社技術を向上し、市場への訴求力を高めている。

ボールマウンター装置「BMシリーズ」は同社の主力製品。低い不良率でボールを正確に配置できる独自の工法を採用している。川上茂明取締役は「他社製品と比べてムダなくボールを配置でき、顧客の評価も高い」と話す。アジア圏を主な販売エリアとし、2023年3月期は売上高の約7割をBMシリーズが占めた。

ボールマウンター装置はパソコンやスマートフォンの中央演算処理装置(CPU)、人工知能(AI)の画像処理半導体(GPU)の製造工程で使われる。新型コロナウイルス感染症を背景としたオンライン授業やリモートワークの普及による半導体市場の活況は落ち着いたが、AI活用の需要が高まっており、「AI分野がどれだけ伸びるか注目している」(川上取締役)。 顧客となる各企業の工場のインフラに合わせて設備を接続するニーズも増えている。同社は営業や機械設計、電気設計といった細かな部門分けを行い、顧客の要望に対応できる体制を整えている。

製品の用途に関する顧客からの問い合わせに対し、実際に可能かどうか実験し、受注につなげることもある。その時に仮にできなくても「実現するために必要な技術を知ることができる。技術開発にもつながる」と川上取締役は利点を語る。

人材確保が難しい状況で自動化が注目される中、自社製品の需要増が期待できるという。AIの活用やデジタル変革(DX)が製造業でどこまで広がるのかを見極めていく。「高精度の製品を効率良く組み立てていく」という自社のポリシーにのっとり、他社とは違う高付加価値の自動化設備の供給を目指す。

(2024/9/9 12:00)

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