(2024/9/9 12:00)
TOWAは工具事業のQCD(品質・コスト・納期)向上に向けて、生産工程の自動化に取り組んでいる。ロボットや自動化装置の活用で、製品の高品質化とリードタイム削減を両立している。工具メーカーとしては後発だが、同事業は堅調に売り上げを伸ばしており、成長分野の一つと位置付けている。自動化を進めて生産性を高め、成長を加速する。
同社はウエハーから切り出されたチップを樹脂で封止する工程で使用するモールディング装置で世界トップシェアを握るなど、半導体製造装置メーカーとしてのイメージが強い。一方、モールディング装置とセットで使う超精密金型の加工用切削工具を内製しており、そこで培った技術を生かし工具の外販も展開する。
手がけるのはエンドミルやドリル。それぞれ、大きく分けて立方晶窒化ホウ素(CBN)工具と超硬工具の2シリーズをラインアップし、京都東事業所(京都府宇治田原町)で2022年に竣工した建屋で生産している。
「生産工程によっては、人が介在する箇所を減らすことで品質が安定する。コスト削減や納期短縮も有人だけでの対応では限界がある」(藤森信昌コア技術製造部次長)という考えの下、工具生産の自動化を推進している。製造に使う研削盤とロボットを組み合わせることで、パレットから未加工工具を取り出し、加工後に工具をパレットに戻す工程の一部を自動化。また従来は手作業だった完成工具の箱詰め作業の効率化に向けて、専用の自動化装置を取り入れた。
在庫管理でも自動化を進めており、工具の材料や完成した工具を保管する倉庫には自動倉庫を導入した。将来は、自動倉庫と生産現場を無人搬送車(AGV)や自律移動ロボット(AMR)でつなぐ「スマートファクトリー(つながる工場)化」も構想する。藤森次長は「現場の改善には終わりがない」とし、今後も現場の自動化・効率化を加速する方針だ。
(2024/9/9 12:00)
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