(2024/9/12 05:00)
フランス・リヨンで開催中の「第47回技能五輪国際大会」で世界各国・地域の若手技能者が、11―14日の4日間にわたり技能の熱戦を繰り広げる。今大会は69カ国・地域から過去最多となる1360人の選手が参加。日本からは全59職種のうち47職種・55人が出場する。日本人選手に大会に懸ける思いや意気込みを聞いた。(仏リヨン=高島里沙)
「不安もあるが、わくわくする気持ちのほうが大きい」と語るのは、日産自動車の村上快仁選手。自動車の整備技能などを争う「自動車工」職種には36カ国の選手が出場する。村上選手は「他国の選手と技術や知識を競い合えるのは国際大会ならではの楽しみ」と語る。「車体塗装」で技を競うトヨタ自動車の星野悠音選手は「金メダルを勝ち取りたい」と覚悟を見せる。「これまでの訓練で取り組んできたことを出し切って頑張りたい」(星野選手)と意気込む。
生産現場を想定し2人のチームで挑戦する「メカトロニクス」に出場するトヨタ自動車の北川雄基選手は「最後の1秒まで諦めずに頑張りたい」と意欲を示した。ゲームキャラクターの作成などを競う「3Dデジタルゲームアート」に出場する日本電子専門学校の木村美保選手は、「とにかく楽しんで取り組みたい」と語った。また冊子や電子書籍の制作技能などを競う「グラフィックデザイン」に出場するセキの小松未咲選手も「最後は笑って終わりたい」と話した。
金メダル2個で7位にとどまった2019年のロシア大会を上回る成績を残し、日本が3位以上に順位を上げられるかが注目される。
会場ではボリューム満点の食事 国ごとのバッジ交換で国際交流
キャロットラペに、牛肉と野菜の煮込み料理、アップルタルト―。技能五輪国際大会の競技が実施される会場のユーロエキスポでは、ランチに日替わりのフランス料理が楽しめる。選手をはじめエキスパートや通訳、関係者が列をなし食事会場がごった返す中、コック帽をかぶったシェフさながらのスタッフが料理を提供する。
セット内容は、パンやサラダ、魚か肉を選べるメーンに、デザートが付くなどボリューム満点だ。パンのみではなく、ごはんかパスタの炭水化物も用意。サラダも3種類から選べ、グルテンフリーにも対応する。
今大会には欧州やアジア地域などから多くの選手が集う。国際大会ならではなのが、選手をはじめとする参加者によるバッジの交換だ。日本は桜や富士山をモチーフにした4種類のバッジを用意する。国ごとに絵柄や形が異なり、バッジを通じたエールの交換は、国際交流が進む良い機会となっている。また会場内に多数設置されている机やいすは段ボール製で環境にも配慮する。
(2024/9/12 05:00)