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(2024/9/30 05:00)
シート設計、流れつかむ
(総合1から続く)愛媛大学理学部物理学科を卒業して体育器具メーカーに6年勤め、2023年5月からニッパツで自動車シートの設計を担当しています。大学では宇宙物理学を専攻し、太陽電池材料の光学特性を研究しました。それはそれで面白かったのですが研究を続けるよりも、早く実社会を経験したかった。高校まで器械体操をやっていたこともあり、体育器具メーカーを就職先に選びました。
そこでの仕事は体育館などの構造に合わせて、競技用設備を据え付けるための設備設計。理学部では縁がなかったCADの扱いを一から覚えました。画一的な競技設備の設計よりも、人の体に直接関わるシート設計に魅力を感じ、当社に転職を決めました。
シート設計の仕事は完成車メーカーから条件提示を受け、コストを勘案しながらフレームにクッションパッドと表皮を組み合わせて仕様を詰めていきます。試作を繰り返して採用が決まり、量産するまでにはかなりの期間がかかります。私は入社して現在の設計チームに試作の途中で加わり、仕事の流れを身をもって経験しているところです。
まったく違う業界で、用語が分からない苦労もありました。それでもチームの一員としてシートの完成度が高まっていくのを実感できるようになり、充実した日々を送っています。完成車メーカーと幅広く取引があり、車種によりシートもさまざま。新車開発と並行する当初の条件提示の段階から、いろんな仕事に携わっていきたいですね。
東京で高校までやっていた器械体操を愛媛で続けることが難しくて、手足だけで岩壁を登るシンプルなフリークライミングを始めました。今のところ社内に“岩好き”は見つけられず、社会人登山サークルの仲間と岩壁に挑んでいます。(文=青柳一弘、写真=高山基成)
◇ニッパツ シート生産本部 第二設計部 高木春奈(たかぎ・はるな)さん
(2024/9/30 05:00)