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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/2/9 05:00)
川崎重工業は今夏をめどに、岐阜工場(岐阜県各務原市)内に、米ボーイングの次世代大型旅客機「777X」向け胴体部品の新工場を建設する。777Xの前部・中部胴体向けスキンパネル(外板)を生産する。777X向けは岐阜工場と、2月完成の名古屋第一工場(愛知県弥富市)内の新工場で分担する。投資額は名古屋の新設分と合わせて約250億円。岐阜の新設で、同社の777X向け設備投資は一巡する。
川崎重工業は今夏までに777X向け胴体生産を始める。これに合わせ生産拠点を整備してきた。
岐阜工場内に機械加工工場とサブ組立工場の2棟を新設する。機械加工工場では切削加工機を導入し、アルミニウム合金製のフレームなどを製造する。サブ組立工場では、胴体パネルにストリンガー(補強材)を取り付けるための穴あけ加工などを手がける。
岐阜工場では現行機「777」向けスキンパネルを生産している。777X向けでも、胴体パネルの曲げ加工や表面処理、塗装作業のほか、パネルにストリンガーやシアタイ(胴体部品)の取り付けに、既存設備を活用する。
777X向け胴体生産は、岐阜工場で胴体パネルとフレーム加工を担当。名古屋第一工場内の新工場で、自社製ロボットや大型の数値制御(NC)自動打鋲機(オートリベッター)を使って最終組み立てを行う。
米現地法人のリンカーン工場(ネブラスカ州)では、777X向け貨物扉を生産する。既設建屋内の約2800平方メートルのエリアを整備。オートリベッターや塗装ロボットを導入し、貨物扉を効率的に組み立てる。
777Xは777の後継機で、20年の初号機引き渡しを計画する。足元で320機を受注しており、17年に製造を開始する予定。川重と同様に機体製造に参画する三菱重工業や富士重工業なども、生産設備の整備を進めている。
(2017/2/9 05:00)