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父が亡くなったのはクリスマス・イブの朝だった。年が明けて何日かしたころ、用があって久しぶりに外出した。歩いて最寄りの駅へ向かいながら、ふと一羽の鳥がついてきているのに気づいた。

ある写真家が「古池や蛙飛び込む水の音」という松尾芭蕉の有名な句を写真に撮るとどういう状態なのだろうと自問していて面白いなと思った。つまりどの瞬間にシャッターを切るかということだ。水の音がしているからカ...

好きな作家は浅田次郎を挙げたい。

休日に「ピカソ 天才の秘密」という映画を見た。「恐怖の報酬」で有名なアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督が1956年に撮ったドキュメンタリーの傑作である。透明なカンバスを裏側から撮影する...

肉食動物たちにとって歯は、捕食のための重要な道具であり、身を守る武器でもある。鳥たちのなかにはくちばしを道具に使うものがいる。キツツキはくちばしで木の幹に穴をあけるし、カラスはゴミ袋を破って中のものを...

学生のころ、論文などは原稿用紙に万年筆で書いていた。卒業論文や修士論文などは所定の原稿用紙に黒の万年筆で書かなければならなかった。普通の学生の卒業論文は4、50枚からせいぜい100枚程度だったけれど、...

「(ノンフィクション作家として)大きな構造の変化を多様な人間ドラマで描くことに強い思いがある。... ただ、今まで承認申請された薬が一つもなかったため、そこに大きな進歩があったのは間違...

死者を空間的な隔たりとともに追想することは、ぼくたちの思考に深く根差した習わしらしい。『源氏物語』の冒頭で、寵愛(ちょうあい)した桐壷の更衣に先立たれた帝が歌を詠む。 ...

ぼくがロックを聴きはじめたのは中学1年生のころだった。いろいろなアーティストの曲を聴きたかったので、主にその当時(1971―72年ごろ)のヒット・シングルを集めていた。 ...

現在では「1時間」の長さは季節によって変わることなく、世界中どこへ行っても同じ1時間が保証されている。ぼくたちにとっては当たり前のことだが、こうした「当たり前」が登場したのは割と最近のことらしい。&#...

連載はタイトルにあるように、作家・有吉玉青さんが文章を担当している。

インタビュー/作家・こだま氏 書くことでトラブル笑いに 自身の悩みやダメな部分を率直に、ユーモアあふれる表現でつづる主婦で覆面作家のこだま氏。

ユヴァル・ノア・ハラリは『サピエンス全史』のなかで、貨幣は物質的現実ではなく、心理的概念であると述べている。たしかにそのとおりだ。ドルや円といった紙幣は、物質的現実としては新聞やチラシと変わらない。

ぼくたちは時間を直線のイメージでとらえている。それは過去から未来へ向かって一方向的に直進する。量的に無際限な時間は、空虚といっていいほど抽象的でとらえどころがない。

海外から帰ってくるたびに、「日本のトイレは世界一だ!」と声を大にしてさけびたくなる。空港のシャワー・トイレで用を足すとき、日本に無事に帰ってきたことを実感する。

今日もダイニングのテーブルで奥さんが数独をやっている。新聞のパズルのこともある。面白いのだろうか?

障がいを抱える作家が所属する団体「天才アートKYOTO」活動支援は17年から取り組む。本社には独自の感性を持つ作家の絵画が空間を彩る。

父の友人に良野さんというハンコ屋さんがいた。商店街に小さな店を出していて、子どものころから父に連れられてときどき遊びにいった。良野さんはお茶が好きで、いつもおいしい玉露を入れてくれた。

1927年は米国のフォード・モデルT(T型フォード)が生産停止に追い込まれた年である。かわって同国の自動車業界のトップに立ったのがGM(ゼネラル・モーターズ)だった。&...

作品を見る度に「作家が何を描こうとしているのかと考えるようになった」とか。

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