(2024/11/18 05:00)
トランプ氏が米大統領に返り咲くことで、パリ協定(気候変動問題に関する国際的枠組み)からの再離脱が懸念される。地球温暖化対策が停滞するのは避けられない。だが日本にできることは増えるのではないか。
石油やガス、石炭がもっと燃やされ、温室効果ガス(GHG)である二酸化炭素(CO2)の排出が増えかねない。日本には、この排出を緩和し、削減する技術がある。群を抜く発電効率を発揮する火力発電設備の技術、バイオマスやアンモニアを混焼する技術、CO2を地中に閉じ込めるCCSや再利用するCCUSなど。
CO2排出量は中国、米国、インドの順で多い。再離脱にかかわらず、産出する石炭を火力発電に利用する国はある。経済成長を優先する国は、安価なエネルギー源として化石燃料を使う。
日本は将来的に、原子力や再生可能エネルギーへの移行を目指す。だが現状では火力に頼るところが多く、エネルギー安全保障の面からも直ちに脱化石燃料とはならない。
三菱総合研究所は、東南アジア諸国連合(ASEAN)へのアプローチを促す報告をまとめた。日本から輸入した脱炭素技術が域内の成長に向き始めているという。日本も打ち手はある。
(2024/11/18 05:00)