[ その他 ]
(2015/11/12 05:00)
古い資料を探していると、45年前の日本万国博覧会の写真が出てきた。「人類の進歩と調和」をテーマに、1970年に千里丘陵で開催された大阪万博。当時の日本は高度成長期で、経済大国へ駆け上る途上にあった。写真を眺めると、子供時代に経験した会場の異様な熱気がよみがえる▼当時の製造業の活況を反映して、未来に向けた製品・技術も数多く展示された。今では爆発的に普及したものも多い。ワイヤレスフォンやテレビ電話は、携帯電話やスマートフォンとして日常的に使えるようになった▼サンヨー館では『ウルトラソニックバス』が人間洗濯機として話題を集めたが、残念ながら普及には至らず。開発した三洋電機も今や事実上消滅し、時の流れを感じさせる▼シンボルの太陽の塔が残る会場跡地は、広大な万博記念公園として市民の憩いの場となっている。その一角で大規模な再開発が進められ、商業・レジャー・教育の複合施設が11月から順次開業する▼注目すべきは、英語やコミュニケーションスキルを学べる体験型教育施設が複数設けられる点。かつてのにぎわいを取り戻すだけでなく、再び”進歩“を目指すにはまず人づくりから。万博精神の継承にも期待したい。
(2015/11/12 05:00)