[ その他 ]
(2015/12/25 05:00)
関西の産業界にとっては、ちょっとしたクリスマスプレゼントになった。福井地方裁判所は24日、関西電力高浜原子力発電所3、4号機の再稼働を認めないとした4月の仮処分を取り消した▼すでに県と地元自治体は再稼働に同意しており、来年2月にも原発からの送電が復活する。九州電力川内原発の1、2号機に次ぐもので、東日本大震災後にまひ状態だった原発が正常化に向けて大きな”第2歩“を踏み出すわけだ▼関電の八木誠社長は再稼働後、できるだけ早く電気料金を値下げしたいと表明している。最近の化石燃料の価格下落とあわせて需要家には朗報だ。加えて関電の経営の負担が軽くなることは、関西産業界全体に有形無形のプラスの影響があるに違いない▼再稼働の”第3歩“は四国電力伊方原発が有望。しかし「その次が見えにくい」と業界幹部は言葉を濁す。特に、事故を起こした東京電力福島原発と同型炉が多い東日本の原発の前途は多難だ▼福島の被災地を思えば、再稼働のたびに電力関係者は「再び事故を起こすまい」と決意をかみしめるはず。高浜は海水浴の名所であり、沖の若狭湾はカニやフグの宝庫でもある。豊かな自然を守るためにも、後手に回らぬ万全の対策を願う。
(2015/12/25 05:00)