[ その他 ]
(2016/1/4 05:00)
【富士通/デジタルビジネス・プラットフォーム「MetaArc」】
■先端技術を実装、ICT基盤最適■
中核となるクラウドサービス「K5」を活用し、ビッグデータ(大量データ)やモノのインターネット(IoT)、モバイル連携、人工知能(AI)などの先端技術を実装したICT基盤。
これまでシステム構築で培ってきた知見やノウハウを融合させ、柔軟性を高めるシステム自動構築機能などイノベーションを創出するための新システムや、従来型の業務システムと円滑に連携にする機能を実現した。
さらに業種・業務特有の部品サービスやテンプレート(ひな型)といった「パース(基盤提供)」機能を装備。加えて、データセンター(DC)内で物理的に独立したシステム環境を提供する仕組みや、高信頼のセキュリティーグループを設定する機能などにより、多様なシステムに適用可能な「イアース(インフラ提供)」機能も提供できる。
【富士電機/エアロゾル複合分析計】
■PM2.5をリアルタイム計測■
大気中のエアロゾル(浮遊粒子状物質)である粒子状物質(PM)2.5をリアルタイムに分析できる機能を実現した。硫酸塩や硝酸塩、ブラックカーボンなどPM2.5の主要成分について、粒径や粒子数、成分の質量濃度を同時に連続で測定する。分析結果は15分周期でモニターに表示し、一般的な手法に比べて分析時間を大幅に短縮できる。
光散乱法やレーザー誘起白熱法、質量分析法を使った複合分析手法を採用した。また、微小電気機械システム(MEMS)技術を活用し、分析に必要な粒子を効率的に捕集する仕組みを確立した。従来は粒子の捕集に時間を要し、多くの分析期間が必要だった。
サンプリングから分析まで自動で行い、リアルタイムに測定結果を示す。PM2.5の発生源や要因を推定でき、大気汚染の防止に役立つ。
【三菱電機/基板穴あけ用レーザ加工機 ML605GTF3−5350UM】
■位置決め精度20%向上、毎秒9000穴以上実現■
電子回路基板の穴あけ用レーザー加工機。位置決め精度10マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の高精度で、毎秒9000穴を超える加工ができる。電子機器の小型化、高機能化を背景に要求が高まる高密度・高集積の回路基板を実現する。従来機に比べ、位置決め精度を20%向上させ、生産性が30%高い。
主要構成装置・部品であるCO2(二酸化炭素)レーザー発振器、ガルバノスキャナー、fθ(エフシータ)レンズ、制御などを独自開発し、実現した。レーザー発振器は3軸直交SD励起方式。パッケージ加工に特化したパルス幅での繰り返し発信周波数を向上させている。また、ガルバノスキャナのモーター部には新開発材料を量産品に初採用。高剛性と低発熱の特性などで高精度と高生産性を両立させた。関連特許は国内53件、海外87件を登録している。
【ヤマザキマザック/5軸制御立形複合加工機 VARIAXIS i―1050T】
■旋削加工対応の5軸MC■
旋削もできる5軸加工マシニングセンター(MC)。テーブル回転のC軸と、ゆりかごのように傾くA軸を持つ両端支持タイプのチルト・ロータリーテーブルを搭載し、加工物上面、側面、任意の角度からの多面・同時5軸加工を実現した。
ロータリーテーブルには最大回転速度が毎分500回転の旋削機能を持たせた。同時5軸の高精度多面加工から旋削加工までを1台で完結させられる。最大ワーク寸法は直径1250ミリ×長さ900ミリメートル、最大積載質量は2000キログラムと大物部品の加工に対応。部品の大型化が進んでいる航空機産業のニーズに応えた。
大型機でありながら作業者に負担を与えない使い勝手の良さにもこだわった。作業エリアに大型ステップを標準装備し、作業者とテーブルの距離をより近づけて作業性を向上させた。
《モノづくり賞》
【昭電・ミライト/可搬形接地電極「かっぱーくん」】
■コンクリ面でもアース仮設■
人命を保護するため、高所作業車による作業時の感電防止用接地極の仮設は必須事項。とはいえ、土の露出した地面の少ない都市部など、作業環境によって接地(アース)棒を打設するには困難な場合がある。この製品では、土のない路面でも接地極の仮設を可能にした。
作業前に準備するのは、水道水を筐体に補給することだけ。底面に銅編組網を取り付けた筐体に吸水性ポリマーが入っていて、水分を十分給水した状態で路面に据え付ける。重量が1.5キログラムと小型軽量で持ち運びしやすく、長期での使用も可能。
作業現場でL字側溝やU字側溝などのコンクリート面に設置しておけば、通常の接地棒と同等以上の接地面抵抗が得られるという。これにより、接地極が困難だった場所でも安全に作業できるようになった。
【双葉電子工業/フィルム有機ELディスプレイ】
■ウエアラブルで曲面表示■
樹脂フィルム上に有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)素子を形成し、曲面状態でも表示を可能にした新タイプのパッシブ型有機ELディスプレー。コントローラードライバーICとフレキシブルプリント基板をフィルムに直付けする技術も確立しており、ガラス基板と同等のシンプルな構造を実現した。
有機ELは微量の水分でも劣化する。このため、水蒸気を遮断する保護膜と封止構造を開発。さらに、自社開発の乾燥剤を封入することで製品化に成功した。製造工程中ではフィルムのそりが問題になるが、応力制御技術やプロセスの低温下、支持担体などの開発でこれを乗り越えた。
軽量、薄型で、曲面表示が可能な素子は最終製品においてデザイン自由度を高める。耐久性も優れており、今後普及が本格化するウエアラブル機器には不可欠な製品といえる。
【ローム/トレンチ構造採用 SiC―MOSFET】
■オン抵抗低減で消費電力大幅減■
トレンチ(溝)構造を採用した、炭化ケイ素(SiC)の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を、世界で初めて商品化した。オン抵抗の低減により、消費電力を大幅に削減できるのが特徴。SiCのMOSFETの量産品としては、これまでプレーナー(平面)構造しかなかった。
トレンチ構造はチップ表面に溝を形成し、その側壁にゲートを形成している。ゲートを素子表面に作り込むプレーナー型と比べてオン抵抗を50%削減できるのが特徴だ。
同時にスイッチング性能も向上しており、太陽光発電での電力変換器や産業機器向け電源、工業用インバーターへの用途を見込んでいる。
同社では、ゲートトレンチ底部の電界集中を緩和することに成功したことで、SiCのトレンチMOSFETの長期信頼性を確保して量産化を実現した。
(2016/1/4 05:00)