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産業春秋/“折り紙付き”

(2016/1/20 05:00)

正月の終わりは地方によって違う。我が家では郷里の習慣にならって「二十日正月」で祝い納めをする。子どもらと折り紙で作る手製の正月飾りを毎年、この日に外す▼折り紙と言えば、やはり折り鶴である。雑誌『一個人』の川柳倶楽部の入選作品に〈折り重ね祈り重ねた千羽鶴〉とある。心を込めて折ることは「祈る」に通じる。だからこそ、千羽鶴は多くの祈りを届けられるのだろう▼鶴は平和の象徴でもある。広島の「原爆の子の像」には一年を通して多くの千羽鶴がささげられる。終戦71年目に入り、東日本大震災から5年を迎えることし。折り鶴とともに平和と安全を願う▼一方で「日本人は鶴から抜け出せない」と嘆くのは折り紙の研究者だ。日本の伝統文化も、今や「origami」として世界に普及する。その数学的要素から宇宙構造物やハニカムパネルなどに応用され、実はモノづくりとは相性が良い▼京都大学で折り紙工学を提唱した野島武敏さんは「折り紙研究で日本は欧米に押され気味」との危機感を抱いているという。日本の製造業が海外勢に押されては困る。鶴を原点とする繊細な折り紙文化を産業に生かすことで、モノづくり大国の地位を“折り紙付き”にしたい。

(2016/1/20 05:00)

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