[ その他 ]
(2016/2/22 05:00)
週末、茨城県下妻市で家族でイチゴ狩りを楽しんだ。田園風景を後にしようとした時、ドローン(飛行ロボット)が宙に浮いていることに気づいた▼操縦していたのは年配の男性。聞けば種まきの練習という。高齢化や農業人口の減少で担い手が不足する中、ロボットを活用して農業を活性化する。そんなうたい文句をよく聞くが、活用事例を目にしたのは初めてだった▼一面に広がる畑の上を小さな飛行機械が舞うように行き来し、それを作業着の男性がコントロールしている様子に近未来を感じた。ドローンはさまざまな産業創出の可能性を秘めているが、新たな技術は使い方を間違えると世間の非難を浴びてしまう▼首相官邸へのドローン侵入は幸い大事に至らず、自首した被告は執行猶予付きの有罪判決を受けた。事件後の改正航空法により、人口集中地区での飛行は原則的に禁止されたが、これは墜落被害を防ぐのが主な目的。プライバシー侵害やテロの阻止は今後も課題が残る▼練習中の男性は「実際に種まきに使うかどうか、まだ分からない」という。農業もハイテク利用の大きな変革に直面している。男性の見事なドローンさばきは、真っ赤に熟れたイチゴに劣らぬ印象を残した。
(2016/2/22 05:00)