[ その他 ]
(2016/3/15 05:00)
桜の季節が近づいてきた。日本気象協会によれば今年の開花予想日は東京都心が21日、大阪が25日。いずれも平年より数日早い▼大統領選の候補者選びが過熱する米国も桜の季節を迎え、ワシントンでは好例の「全米桜祭り」が20日に開幕する。1912年に当時の東京市が贈った3000本の桜は今や日米友好の象徴。来年、ホワイトハウスから誰が満開の桜を眺めるのだろうか▼経済用語のひとつに「ワシントン・コンセンサス」がある。80年代の新興国による累積債務問題への処方箋として、金利の自由化や規制緩和など10項目を明記した。経済のテイク・オフの必須条件とされる▼それに強く反対しているのがノーベル経済学賞受賞者でコロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授だ。東アジアの新興国の成長要因を「ワシントン・コンセンサスに従わなかったことから実現した」と分析。市場主義の効率性を疑問視し、経済への政府の介入を主張する▼政府は16日に「国際金融経済分析会合」を開き、同教授に意見を求める。賃上げや投資増を求める安倍晋三首相とは「大きな政府」という意味で方向が一致する。果たしてアベノミクスは開花するのか。強力な援軍の評価を待ちたい。
(2016/3/15 05:00)