[ オピニオン ]
(2016/5/31 05:00)
古くは万葉集にも詠まれ、日本女性に例えられるナデシコが、また一つ現代に芽を出した。女性経営者ら46人が「ものづくりなでしこ」を設立。勉強会や工場見学などを通じて女性の視点で日本のモノづくり発展を目指す。
特徴の一つが、会社を継ぐ予定の経営者の娘ら、将来の日本の産業界を担う女性が参加していること。代表で富士電子工業(大阪府八尾市)社長の渡邊弘子さんは「若い女性経営者を育てたい」と熱い志を持つ。
2012年、当時の経済産業省素形材産業室の女性キャリアが「横のつながりを持ったら面白いものができるのでは」と提案して集まったのが始まり。より活動を広げるために事務局を設け、組織体制を整えた。設立パーティーには安倍晋三首相がお祝いに駆けつけるほどの期待の高さ。
政府が掲げる「一億総活躍社会」の実現に女性の活躍は欠かせない。だが帝国データバンクの15年10月の調査によると、株式会社と有限会社の社長に占める女性の割合は、まだ7・51%。
ナデシコの花言葉は「純愛」や「貞節」が知られるが、ほかに「大胆」もあるという。女性ならではの繊細さ、柔軟さと同時に、大胆に日本のモノづくりを引っ張って美しい花を咲かせてほしい。
(2016/5/31 05:00)