[ 機械 ]
(2016/4/9 05:00)
ファナックの稲葉善治社長と古河電気工業の柴田光義社長は8日、日刊工業新聞などの取材に応じ、ファナックが100億円を投じ栃木県壬生町にファイバーレーザー発振器などの生産する新工場を建設することを明らかにした。発振器の生産能力は月400台を計画する。新工場では両社が折半出資するFFレーザ(山梨県山中湖村)が発振器に組み込む基幹部品も生産する。出力3キロワットの発振器に換算して月産300台分、部品3万個の能力を確保する。
ファナックは数値制御(NC)装置などの壬生新工場計画がある。今後のファイバーレーザー市場の拡大を見込み発振器工場の追加建設を決めた。2017年10月の稼働を予定する。延べ床面積が3万2000平方メートルの工場となる。
ファイバーレーザーは高速加工、省エネルギーといった特徴があり、板金の切断や溶接向けで需要が増えている。発振器はレーザ―加工機や溶接機などに搭載されるユニット。ファナックが世界シェア首位級の二酸化炭素(CO2)レーザー発振器は厚い板金切断では優位性があるが、全体としては「ファイバーにかなりの部分が代わっていく」(柴田古河電工社長)とファイバーの伸びしろは大きい。さらに板金切断や溶接だけでなく、金属3Dプリンターといった積層造形や熱処理などに「応用が広まっていく可能性がある」(稲葉ファナック社長)とみている。両社は2015年7月、基幹部品のレーザーダイオードモジュール(LDM)の開発と製造、販売を手がけるFFレーザを設立し、同分野に参入した。
(2016/4/9 05:00)