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[ エレクトロニクス ]
(2016/5/11 05:00)
(ブルームバーグ)米アップルの低調な決算発表後、スマートフォン市場の見通しを見極めようとする投資家に対し、アジアの供給業者は幾つかの手掛かりを提供した。事態が改善する前に悪化する可能性があるということだ。
より名の知られた顧客のブランド名で販売される端末の生産に携わるサプライヤー3社が10日、相次いで業績や業績見通しを発表。スマホメーカーやかつて携帯ブームの恩恵を受けた企業の先行きが困難であることを示唆するものとなった。
iPhone(アイフォーン)を受託生産する台湾の和碩聯合科技(ペガトロン)は、1-3月(第1四半期)利益が予想に届かなかったほか、4月の売り上げが16%減少したことを明らかにした。携帯端末向けLED照明を製造するミネベアは、2016年3月期の売上高と利益が会社見通しを下回った。
アップルなどにディスプレーを供給するジャパンディスプレイは、利益が急速に悪化しているとして、16年3月期決算が赤字になるとの見通しを示した。また、同期に配当を行う方針を示していたが、無配とすることも明らかにした。これに加え、中国のレノボ・グループ(聯想集団)の株価は10日、4年ぶりの安値に下落。アナリストが競争激化を警告した。
アジアの部品メーカーはサプライチェーン(供給網)の早い段階を担っているため、アップルや韓国サムスン電子、中国の小米のような大企業の先行きを示唆することが多い。アップルは1ー3月(第2四半期)に13年ぶりの減収となり、市場が悪化しつつある証拠を示した。一部の企業は、販売減少や限りのない市場シェア競争、価格崩壊というトリプルパンチの可能性を警戒している。
KGIセキュリティーズのアナリスト、リチャード・コー氏は「スマホ業界は今年、引き続き減速するだろう」と指摘。「競争が悪化し、値下がりが続く公算が大きい」と述べた。
(2016/5/11 05:00)