[ 政治・経済 ]
(2016/5/27 05:00)
【伊勢】伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)は27日、「G7伊勢志摩首脳宣言」を採択し、閉幕した。世界経済を最大のテーマに議論を行い、「成長は引き続き緩やかでばらつきがあり、前回の会合以降、世界経済の見通しに対する下方リスクが高まっている。近年、世界的な貿易のパフォーマンスは期待外れの状況」などの文言を盛り込んだ。その上で「新たな危機に陥ることを回避する」ため、「適時にすべての政策対応を行う」などとした。
安倍晋三首相は記者会見で「ここでもし対応を誤れば、世界経済が通常の景気循環を超えて危機に陥る大きなリスクに直面している」と述べた。さらに「アベノミクスを世界に展開していく」と宣言した。
首脳宣言の採択を受けて、野村証券は27日付のアナリストリポートで「消費増税延期表明への地ならしと延期について、G7諸国からの暗黙の了承取り付けを前提とした動きと推測される」とした。また「日本経済の現況が(2008年の)リーマン・ショック級の悪化を示しているとは判断していない」と分析した。
さらに、G7としての政策協調については「踏み込み不足に終わったと評価せざるを得ない」との見方を示した。一方で、消費増税延期を含めて「日本が従来以上に財政出動に重点を置くこと、日銀がマイナス金利政策を含む大胆な金融緩和を継続することについてG7各国の異論を封じたことが、日本にとってのサミットの成果」と評価した。
(2016/5/27 05:00)