[ オピニオン ]
(2016/5/30 05:00)
あるシンクタンクが主催した「大阪に環太平洋連携協定(TPP)本部創設を」という集まりに参加した。国会の批准もめどが立たないTPPだが、何を狙ったものかに興味があった。
誤解のないように言えば、政府機関の誘致の提案ではない。TPPのような多国間の包括的連携協定では新事態への対応や加盟国間調整の必要性などから、東南アジア諸国連合(ASEAN)や世界貿易機関(WTO)のような常設本部が不可欠という。
参加国数や各国の国内総生産などから予想される規模は年間予算100億円、職員約300人。地域の波及効果は250億円と試算する。既に誘致に熱心な国もあるという。批准をどうするかなどと悩んでいるようではダメらしい。
最後にTPP交渉に参加した日本が誘致できるのか。地理的条件、既に国際事務局があるかどうか、経済活動の規模などを考えれば十分に可能性があるという。大阪を提唱する最大の理由は東京一極集中の是正。次に本部維持に必要な高度人材を供給できる大学や、職員向けの国際学校など住環境の良さを挙げる。
誘致に向けた最大の課題は市民や地元産業界の理解とか。尻すぼみに終わった省庁移転に代えて、国際機関の誘致でいこう。
(2016/5/30 05:00)