[ ICT ]
(2016/6/9 05:00)
(ブルームバーグ)中国のインターネット企業テンセント・ホールディングス(騰訊)は、フィンランドのゲーム開発会社スーパーセルの過半数株取得について ソフトバンクグループと交渉している。事情に詳しい関係者が明らかにしたもので、スーパーセルの企業価値を従来考えられていたより高い90億ドル(約9600億円)と評価する取引になる可能性があるという。
関係者が匿名を条件に述べたところによると、交渉は初期段階で、物別れとなる公算もある。ソフトバンクは2013年にスーパーセルの過半数株を約15億ドルで取得、昨年に持ち分を73%まで引き上げた。ブルームバーグ・ニュースはソフトバンクがスーパーセル売却を検討しており、同社の企業価値は50億ドル余りとなる見込みだと先月報じていた。スーパーセルのモバイルゲームには「クラッシュ・オブ・クラン」などがある。
テンセントは中国で最も人気の高いメッセージサービスを運営しており、ゲーム事業を拡充する方針。ソフトバンクはゲームは中核事業の一部ではないと判断し、既にガンホー・オンライン・エンターテイメント株の売却に同意。ソフトバンクは 財務強化と有望な新興企業への投資のため100億ドル余りの資産を売却している。
9日の東京市場でソフトバンク株は一時の2.2%安から持ち直し、前日比ほぼ変わらず。テンセントが上場する香港市場はこの日、祝日のため休場。
交渉が継続中のため、スーパーセルの評価は変動する可能性があると関係者らが述べた。テンセントとソフトバンクにはデューデリジェンス(資産査定)を完了させる必要もあり、価格が調整されるか、最終合意に至らない可能性もあるという。
ソフトバンクとテンセントの広報担当者はコメントを控えた。
原題: Tencent Said to Weigh Supercell Deal at $9 Billion Valuation (1)(抜粋)
(2016/6/9 05:00)