[ ICT ]
(2016/6/14 05:00)
(ブルームバーグ)米アップルは13日、メッセージサービス「iMessage」や音声アシスタント「Siri(シリ)」などの機能を改良した新ソフトウエアを発表した。アップルのサービス事業に食い込もうとする大手テクノロジー企業からの攻勢をかわす狙いだ。
アップルはSiriを外部開発者に開放してアマゾン・ドット・コムやアルファベット傘下のグーグルの製品を寄せ付けないようにするほか、メッセージサービス向けの楽しい絵文字や統合されたアプリを通じてフェイスブックや中国のテンセント・ホールディングス(騰訊)の挑戦を阻止する構え。また、決済サービス「アップルペイ」を拡充してオンライン通販分野でペイパル・ホールディングスに対抗する。音楽ストリーミング・サービス「アップル・ミュージック」も刷新し、スポティファイから顧客奪取を目指す。
アップル幹部らがサンフランシスコで開いた世界開発者会議で新機能を発表した。スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の販売鈍化を補完するためソフトウエア収入の拡大を図りたい同社にとって、毎年恒例の開発者会議は一段と重要性を増している。ティム・クック最高経営責任者(CEO)は会場に集まった約5000人に対し、「皆さん全員との協力で」パソコン「Mac(マック)」向けの新基本ソフト(OS)や「アップルウオッチ」、「アップルTV」、アイフォーンの機能がさらに高まると語った。
Siriを外部開発者に開放すればいずれ、音声による指示でピザ発注やタクシーの予約も可能になりそうだ。そうなればアップルは、2011年のSiri導入後に仮想アシスタント機能を発表したアマゾンやグーグルに奪われた地歩を奪回できる。アップルはまた、デスクトップ型やラップトップ型のコンピューターにも音声アシスタント機能を追加した。
開発者会議で最大の反響があったのはiMessageの変更だった。開発者はユーザーが支払いや持ち帰り用食べ物の注文などのようなタスクを実行できるようiMessageにアプリを組み込むことができるようになる。アップルはまた、大きな絵文字をや素早い返信、特殊なアニメといった消費者に使いやすい機能も発表した。
原題: Apple Bets on Messaging Emojis, Siri to Keep Customers Loyal (1)(抜粋)
(2016/6/14 05:00)