[ 政治・経済 ]
(2016/6/16 05:00)
(ブルームバーグ)英国の欧州連合(EU)残留を主張するオズボーン英財務相らが離脱後に灰色の未来が待っていると警告したことに離脱派は一斉に反発した。23日の英国民投票に関する懸念は米金融当局にまで及んだ。
離脱派のリーダーの1人であるゴーブ司法相は、離脱すれば国家財政を支えるため緊縮策が必要になるとの残留派の警告を一蹴。オズボーン財務相の発言への反発は強まっており、同相が属する保守党の議員からも増税と歳出削減が必要になるとの主張への批判が相次いだ。
オズボーン財務相は現地時間16日夜にロンドン市長官邸で基調講演を行い、こうした反発の沈静化に努める。カーニー・イングランド銀行(英中銀)総裁も同所で講演する予定だ。この日はこれら講演に先立ち、英中銀の金融政策委員会(MPC)も開かれる。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は15日、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、金利据え置きの決定では英国のEU離脱の可能性に対する懸念も一定の影響があったと述べた。
英国ではゴーブ司法相が、オズボーン財務相の唱える離脱後の緊縮プランは恐怖心に訴えるものであるため、自分は支持しないとBBCテレビの特別番組で発言。「今回のキャンペーンを通じて残留派から聞こえてきたのは、自分の運命を自ら支配しようとする英国民への恐ろしい警告ばかりだった」と指摘し、製造業者や起業家が「英国民を信頼しているのに、なぜ残留派は信頼できないのか」と疑問を呈した。
原題: U.K. Tories Spar on Post-Brexit Budget as Anxiety Spreads to Fed(抜粋)
(2016/6/16 05:00)