[ 政治・経済 ]
(2016/6/29 05:00)
(ブルームバーグ)キャメロン英首相は28日の欧州連合(EU)首脳会議で、先週の英国民投票でEU残留派が勝利しなかったことに遺憾の意を示した。他の首脳らは英国がもはや引き返すことはできないとの見解を示した。
メルケル独首相はブリュッセルで開かれた首脳会議後に記者団に対し、「今夜時点で、英国のEU離脱選択から引き返す道は見当たらない」と述べ、「希望的観測に時間を使う余裕はなく、むしろ現実を把握すべき時だ」と語った。
各国首脳はキャメロン首相に対し、英国がEU離脱メカニズムを正式に発動させるまでの期間が長引けば、将来的な関係に関する協議の開始を阻むことになると警告した。これに対しキャメロン首相は、不確実性を引き起こしていることを認めながらも、それは次期首相の仕事だと述べ、本国で発したメッセージを繰り返した。
英政府当局者によると、キャメロン首相は夕食会での報告の途中、他の加盟27カ国の首脳らに対し、英国への移民の減少につながる合意を拒否されたことが国民投票での残留派の敗北につながったとの見方を示し、将来英国との緊密な経済関係を望むなら、英国以外の加盟国が移民対策で立場を見直し解決方法を探す必要があると伝えた。
キャメロン首相はまた、国民投票の実施を後悔したかとの質問に対し、敗れたのは「遺憾」としながらも、実施を求める圧力があまりにも大きかったと語った。
欧州委員会のユンケル委員長は首脳会議後に記者団に対し、英国が離脱メカニズムを発動するまでの期間について制限を設ける考えを示した。「残留派の誰かが英国の首相に就くのであれば、就任から2週間以内に行われる必要がある。離脱派が次期首相になるのなら、就任の翌日に行われるべきだ」と語った。
原題: Merkel Says No Way Back From Brexit as Cameron Regrets Defeat(抜粋)
(2016/6/29 05:00)