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[ エレクトロニクス ]
(2016/7/8 05:00)
(ブルームバーグ)アップルの「iPhone(アイフォーン)」の販売予想を立てることは想像以上に難しい。
アイフォーンの需要が強いのか、弱いのか、横ばいなのかでさえ、ウォール街のアナリストの見解は分かれる。多くのアナリストがアイフォーンの販売予想を行うが、その際に考慮しなければならない要因は、消費者の買い替えサイクルなど多岐にわたる。さらに新たに加わったのが英国の欧州連合(EU)離脱の影響だ。
シティグループのアナリスト、ジム・ スーバ氏はリポートで、「英EU離脱に絡んだマクロ経済の不確実性と為替の変動性、買い替えサイクルの長期化に起因する需要低下の可能性を考慮して、われわれは4-6月期と7-9月期の予測を引き下げている」と説明した。同氏はアイフォーンの買い換えサイクルが2013年には約2年だったが、現在は2年4カ月になったと分析。さらに将来的には3年まで延びる可能性があると指摘した。
ドレクセル・ハミルトンのブライアン・ホワイト氏はスーバ氏よりも若干楽観的で、最近のアップル株の下落を買いの好機だと指摘する。ただアイフォーンの最新モデルの投入時期が遅くなればなるほど、株価への悪影響は強まると指摘。「われわれはアイフォーンのサイクルの後期に通常起こる株価下落で投資意欲が損なわれる可能性があり、マクロ環境は依然として追い風というよりは向かい風となっていると認識しているが、それでもアップルのバリュエーション(株価評価)は引き続き非常に魅力的であり、われわれの現行モデルに基づけば次期アイフォーン7のおかげで最終的には17年1-3月期(第2四半期)までにアイフォーン販売台数は前年同期比プラスに回復すると予想される」と分析した。アイフォーン7は年内発売が見込まれている。
カウエンのアナリスト、ティモシー・アーキュリ氏はアップル株について、短期的にはホワイト氏ほど楽観的でないものの、長期的には依然として良い投資対象だと指摘。「今後数四半期は見通しの引き上げは見込めないものの、アイフォーンのうち発売後2年を超えたモデルの販売が大きく伸びそうだと最新の分析は示唆している。アイフォーン7が投資家の予想よりも良いか、あるいはアイフォーン6と同程度ないしそれ以上のスーパーサイクルが来年あるのではないかとわれわれはみている」とリポートで説明した。
販売予想は分かれていても、ウォール街のアナリストの大半はアップル株が「買い」であるという点で一致している。同株を調査対象としているアナリスト51人のうち42人は投資判断を「買い」としている、シティとドレクセル、カウエンの目標株価はそれぞれ115ドル、185ドル、125ドルで全体の平均は123.13ドル。123.13ドルは、アップル株が現在の96ドルから1年で28%上昇することを意味する。
原題: Apple’s IPhone Sales Have Analysts at Odds(抜粋)
(2016/7/8 05:00)