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(2016/8/16 05:00)
■ランキング・ベスト10(8/8~8/14)
1位 産業春秋/若さが輝く会社
2位 シャープ、三重で有機ELパネル製造の前工程を行う方針固める
3位 富士重、4駆EVを商品化−米に21年投入
4位 三菱航空機、米で「MRJ」の飛行試験-量産初号機の納入準備佳境に
5位 iPS細胞、「他家移植」拡大へ備蓄進む−再生医療研究、新段階へ
6位 産総研、東大に拠点−AIで産学官連携を加速、モノづくりと融合
7位 新日鉄住金、ホンダ「NSX」に独自曲げ加工の角形鋼管を供給
8位 自動車業界揺るがすシェアリングの波
9位 深層断面/日産、電池会社売却へ−NECとのEV車載用
10位 伊藤忠、英BAにリース−中型旅客機10機超
■解説:深層断面/日産、電池会社売却へ−NECとのEV車載用
日産がグループの車載用リチウムイオン電池メーカー、オートモーティブエナジーサプライ(AESC)について株式売却の検討に入ったことが明らかになった。その背景には、思ったほど電気自動車(EV)の販売が伸びていないことがあるようだ。加えて、グループに電池メーカーを抱えるよりグローバル調達したほうがコスト面で有利との経営判断もある。
これとは逆に、自動車分野の一部の新興勢力は、リチウムイオン電池も自前にこだわり、差別化を図っていく方針のようだ。EV専業の米テスラモーターズはリチウム電池でもアクセル全開。普及型セダン「モデル3」の来年の発売を控え、50億ドルを投じてネバダ州に建設中の「ギガファクトリー」で、パナソニックと協力しながらリチウム電池の大量生産に入る。
自動車への新規参入を狙っているとされる米アップルも、電池メーカーの米A123システムズやサムスン電子から電池のエンジニアを引き抜き、A123とは訴訟沙汰にまで発展した(その後、和解)。アップルについては先週も、韓国の中小電池メーカーと中央部分が空洞になったリチウム電池を共同開発中と韓国メディアが伝えた。別の報道によれば、この韓国企業は「オレンジパワー」とされている。
なぜ電池を空洞にするかというと、そのほうが電池の化学反応で生じる熱を逃がしやすく冷却装置を小型化できるうえ、大出力時に過熱するのを防いだり、電池同士を並列接続しやすかったりする利点があるのだという。
車載用リチウムイオン電池市場については、世界で3社くらいしか残れないのではないかとの厳しい見方も出てきている。車のエレクトロニクス化、コンピューター化が急速に進んでいるのに対し、電池の進化は遅れがち。その説明として、コンピューターはムーアの法則に支配され、およそ2年ごとに素子の集積度が倍になるのに対し、リチウムイオン電池は化学の世界なのでムーアの法則の適用外だから、という半ば冗談のような話もある。
いずれにしても、車載用電池の再編はこれからが本番のようだ。
(2016/8/16 05:00)