[ ICT ]
(2016/10/11 10:00)
(ブルームバーグ)韓国サムスン電子の主力スマートフォン「ギャラクシーノート7」の過熱・発火問題で同社の危機が深まる中、数百万人の高級スマホ購入者が他社製品に目を向けつつある。明らかな代替候補はアップルの「iPhone(アイフォーン)7」だが、グーグルの新製品「ピクセル」も追い風を受ける可能性がある。
サムスンはノート7のバッテリーが発火するとの報告を受け9月に数百万台をリコールしたが、ここ1週間に交換後の一部製品も発火を起こしたとの新たな報告を受けたため、生産を一時停止した。事情に詳しい関係者1人が10日に明らかにした。同社と米当局は交換後の製品にも同じ問題があると見られる理由について調査している。
クリスマス商戦は携帯電話を買い換える人が多いことから、サムスン製品の空白をアップルやグーグルが埋める機会となりそうだ。サムスン製品ユーザーで、基本ソフト(OS)にアンドロイドを搭載する他社スマホを探す人にはグーグルのピクセルは特に魅力的かもしれない。
アトランティック・エクイティーズのアナリスト、ジェームズ・ コードウェル氏は「大画面機種にシフトしている。ノート7の問題があるだけに、大画面機種市場での競争は減り、アイフォーン7プラスには明らかに大きなチャンスだ」と指摘。グーグルのピクセルについても「高級機種市場で対峙(たいじ)する競争相手が突如、非常に限られたことになる」と付け加えた。
AT&Tやボーダフォン・グループ、TモバイルUS、スプリント、ベライゾン・コミュニケーションズ、オーストラリアのテルストラは、安全と考えられていた交換後のノート7の問題が伝えられたことから、同製品の販売を停止している。700ドル(約7万2600円)以上の高級スマホ市場ではこれまで、サムスンとアップルがシェアを分けていた。サムスンは重要な年末商戦に大画面の新製品を欠いた形で臨むことになり、アップルには追い風となる。
原題: Samsung’s Mounting Crisis Is an Opportunity for Apple and Google(抜粋)
(2016/10/11 10:00)