[ 科学技術・大学 ]

京大、特定方向に整列する超電導状態を発見

(2016/10/13 05:00)

京都大学大学院理学研究科の米澤進吾助教らは、液晶のような特定の向きに整列する超電導状態を発見した。超電導を引き起こす電導電子ペアの強さが、方向によって変化する「回転対称性の破れた超電導」を見つけたのは初めて。強さの方向を制御できれば、超電導デバイスの開発やトポロジカル超電導を利用する量子コンピューターの実現につながる。成果は英科学誌ネイチャーフィジクス電子版に掲載された。

研究グループは、銅を挿入したビスマス・セレン化合物超電導物質で、電導電子のペアが整列して特別な方向を生じさせていることを確認した。液晶ディスプレーに利用される液晶のネマティック状態と似ていることからこれを「ネマティック超電導」と名付けた。

この物質に対し、平行に磁場を回転させるとビスマスとセレンが三角形構造をなすため、比熱が磁場角度に60度周期の振動が期待される。しかし実験では180度周期を示すことが分かった。これにより三角形の辺の方向の一つで電導電子ペアの強さが弱まることが明らかになった。

(2016/10/13 05:00)

関連リンク

科学技術・大学のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン