[ オピニオン ]
(2016/10/17 05:00)
“母なる川”として山形県民に愛される最上川。県南の米沢市から北に流れ、県北西部の酒田市で日本海に注ぐ。そそりたつのは県中央部の山岳信仰の聖地・月山。これに県の木である「さくらんぼ」を融合した。
21日から4日間、山形県を会場に開かれる第54回技能五輪全国大会のメダルのデザインだ。最上川と月山の図柄を、外周部の「YAMAGATA2016」の文字とさくらんぼの果実マークが取り囲む。
基材はブロンズ(青銅)。約950年の歴史を持つと言われる「山形鋳物」の鋳造技術を生かし、文字と絵柄を一体成形した。金賞のメダルは伝統工芸「山形仏壇」の職人が金箔(きんぱく)を施し、銀賞には地元の中小企業のメッキ加工技術を採用した。
主催側は、銅賞とそれに準ずる敢闘賞を含めて計454個のメダルを準備。また技能五輪に続いて開く第36回全国障害者技能競技大会(全国アビリンピック)の山形大会でも、同じデザインのメダルを入賞者に授与する。
東日本大震災から5年。山形大会は東北のモノづくり力を発信する場でもある。スローガンは「輝け!ものづくり東北の未来」。山形生まれのメダルは、どの地域の選手の胸に輝くのだろうか。活躍を見守りたい。
(2016/10/17 05:00)