[ ロボット ]
(2016/10/21 05:00)
サービスロボットの分野は、受け付けや案内で活躍するロボットが続々と実用化されている。ピーシーキッド(東京都千代田区)は、10月下旬から受付ロボット「PK―II」のレンタル提供を始める。タカラトミーは対話ロボット「オハナス」の販売促進や受付対応など法人向けサービスの提供を始めた。中国メーカーも国内参入する。東京・有明で開催中のロボット関連技術専門展「ジャパンロボットウィーク2016」を取材し、傾向を探った。
【来客画像保存】
PK―IIのレンタル料金は月約3万円。1年で1000台の稼働を目指す。各種センサーを搭載。会社の受付で、来客と音声で応答しながら、担当者の呼び出しを行う。頭部にカメラも搭載し、来客の画像を撮り、ネットワーク上の記憶媒体に保存できる。ピーシーキッドの平岡哲夫社長は「音声認識の機能を高めて、さらに使いやすくしたい」と話す。
【楽しさ提供】
タカラトミーは、NTTドコモの自然対話プラットフォームを活用し、オハナスなどのロボットが小売店舗で音声対話しながら商品説明したり豆知識を披露したりできるようにした。初期費用は50万円(消費税抜き)で月額3万5000円(同)がかかる。担当者は「非日常的な楽しさを提供し、来客に強い印象を与えられる」と利点を挙げる。
首都大学東京の山口亨教授の研究室は、観光地で記念写真を撮ってくれるロボットを開発した。カメラ付きロボットにタッチパネルで指示すると撮影してくれ、QRコードか印刷で渡してくれる。格安のボードコンピューター「ラズベリーパイ」を使い「使い捨てでも良いぐらいの安価」(藤本泰成特任研究員)に価格を抑えて実用化を目指す。
【日本参入】
中国の蘇州穿山甲机器股分は、タッチパネルで注文を聞き、お盆を持って料理を運ぶロボットなどサービスロボットを日本に投入する。価格は約100万円。中国では採用が進んでいるという。
価格や聞き取り能力などに課題は残るが、振り返ると今年が“サービスロボット元年”になるかもしれない。
(2016/10/21 05:00)