[ 人物 ]
(2016/11/8 15:30)
(ブルームバーグ)米マイクロソフトのスティーブ・バルマー前最高経営責任者(CEO)は、米大統領選挙にかなり落胆している。「誰も事実を気にしていないようだ」と話す自称「数字人間」のバルマー氏は、真実が政治的なレトリックに埋もれているため両陣営のうそに備えて市民がデータで武装することを望んでいる。
米プロバスケットボール、NBAのロサンゼルス・クリッパーズの試合を 観戦に行かないときは、バルマー氏は引退後の時間を表計算ソフト「エクセル」での作業に費やしている。同氏と約25人のデータマニアで構成されるチームは米国の支出に関する包括的な会計報告を作るため、30年余りに及ぶ政府の文書を検証している。米政府を企業に見立て、上場企業が毎年当局に提出を義務付けられている「10-k(年次報告書)」の政府版を作ることが目標だ。
「USAファクツ」と呼ぶバルマー氏のプロジェクトは、エクセルで作った数百のファイルやプレゼンテーションツール「パワーポイント」スライド385枚の形で存在する。完全な報告書は大統領選挙の投票日までにそろわないものの、バルマー氏は同プロジェクトの研究をスタンフォード大学での授業の材料として利用している。来年早々に年次報告書や投資家説明資料、チャート、グラフィクスなどの形で公表する計画。
バルマー氏の世界観では、データはあらゆる物に勝る。同氏はワシントン州ベルビューのオフィスで、「自分の言い分を述べるのなら、数字に照らして主張することが重要だと思う」と語った。
原題: Steve Ballmer’s Plan to Make America Great Involves Excel(抜粋)
(2016/11/8 15:30)