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(2016/11/10 11:00)
(ブルームバーグ)米大統領選挙で共和党のドナルド・ トランプ氏が当選したことで、チャイナウオッチャーらは新たな懸念材料を挙げている。米中という世界の2大経済大国間で生じ得る貿易戦争のリスクだ。
8日の投票前、トランプ氏は自身のスタンスを明確にしていた。中国は為替相場操作の「名人」であり、米国から仕事を盗んでいると主張。最大税率45%の輸入関税を懲罰的に実施する考えも示している。オーストラリアのコモンウェルス銀行は、こうした関税が導入されれば初年度で中国の対米輸出を25%減らすと試算している。
UBSグループの社外シニア経済アドバイザー、ジョージ・ マグナス氏は、米国が保護主義に向かうことで11兆ドル(約1160兆円)規模の中国経済は損失を被るとみている。「中国はグローバル化の全盛期に頭角を現してきた。すでに幾つかの点で行き詰まっているグローバル化にトランプ氏は反対している」と述べる。
同氏は「トランピズム」とも言うべきトランプ主義の世界での勝ち組を見いだすのは難しく、中国は最もその可能性が低いと分析。「よりナショナリズム的でもっと厄介な中国になると見込まれる。妄想を抱く理由さえある」と話している。
原題: China Watchers Greet Trump With Trepidation on Trade War Risks(抜粋)
(2016/11/10 11:00)