(2016/12/1 11:00)
【ウィーン時事】石油輸出国機構(OPEC)は11月30日の総会で、低迷する原油価格の押し上げに向け、日量約120万バレルの原油減産で正式に合意した。2017年1月から実施する。ロシアなど非OPEC産油国も60万バレルの減産で協力する方針で、協調減産の規模は計180万バレルに達する見通し。
ロイター通信によると、ロシアとOPECとの協調減産は01年以来15年ぶり。米欧の原油先物相場は合意を好感して急伸、約1カ月ぶりの高値を付けた。
14年から続く原油安に手をこまねいてきた産油国が、供給過剰への対策に乗り出す。合意を受けて原油相場が上昇すれば、日本のガソリン、灯油価格にいずれ波及する公算が大きい。
合意によると、OPECは全体の産油量の上限について、10月実績を約120万バレル下回る日量計3250万バレルに設定した上で、国別の上限も設けた。減産期間は半年。原油価格の動向次第でさらに半年の延長を可能としたほか、減産の実効性を高めるため、合意の履行状況を監視する機関の設置を決めた。
ロシアは30万バレルの減産を発表。ただ、同国は過去に減産を表明しながら増産していたケースもあるとされ、信頼性には疑問符が付く。OPECとの協調減産は今月9日に正式決定する見通し。
OPECは9月に減産で基本合意したが、欧米による制裁解除で産油量の回復を目指すイランなどが増産を要求し、協議が難航した。OPEC盟主のサウジアラビアは最終局面で譲歩。イランなど3カ国が減産を免除された。
(2016/12/1 11:00)