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[ エレクトロニクス ]
(2017/1/20 22:00)
東芝が経営再建に向け、持ち株会社制への移行について検討を本格化している。分社化を目指す半導体メモリー、原子力発電といった事業を傘下に収める計画。構造改革をスムーズに行えるようにするほか、経営判断の迅速化、収益管理の徹底などガバナンス強化にもつなげる。東芝は米原子力発電事業を巡り巨額損失を計上する見通し。危機脱却に向け事業売却を検討しており、抜本的な出直しを迫られる。そこで持ち株会社制に移行し、柔軟に立て直しを進められるようにする。
東芝は現在、半導体・記憶装置、エネルギー、社会インフラ、ICT(情報通信技術)の四つの社内カンパニー体制で組織運営している。このうち半導体ではNAND型フラッシュメモリー事業を分社化し、外部から資本を受け入れる準備を進めている。
検討する持ち株会社制では四つの社内カンパニー、NANDメモリー、原発の各事業の新会社と、既存子会社を傘下に収める案を検討している。また、より細かい事業区分けで新会社を設立し、ぶら下げる案も持ち上がっている。
東芝は米原発事業で7000億円規模の損失を計上する可能性がある。2016年度の債務超過を避けるため、NANDメモリーの分社・出資受け入れのほかに、既存事業や主力子会社の売却で3000億円規模の資金調達を目指している。
17年度以降は事業ポートフォリオが大きく変わる可能性がある。また当座の危機を回避しても経営再建に向けて継続的な構造改革が必要な局面が続く。そこで事業売却や業務効率化を進めやすく経営の柔軟性を高められる持ち株会社制への移行を検討する。
(2017/1/20 22:00)