[ 政治・経済 ]
(2017/2/6 17:30)
(ブルームバーグ)フランス大統領選挙で最有力候補とみられていた共和党候補のフィヨン元首相がスキャンダルで窮地に立たされる中、対立候補のルペン国民戦線(FN)党首やマクロン前経済相らは週末に集会を開いた。政治情勢の変化に乗じ、地歩固めを急いでいる。
ルペン氏はリヨンで2日間の集会を開催。ユーロ圏からの離脱や欧州連合(EU)残留・離脱をめぐる国民投票の実施、移民制限などを求める 144項目の綱領を発表した。無所属候補のマクロン氏もリヨンで集会を開き、アモン前国民教育相はパリで正式に与党・社会党の候補となった。
ルペン氏は5日、「グローバリゼーションの名を借りたグローバルファイナンスやイスラム過激主義は私の敵だ」と指摘。「われわれが愛し記憶にとどめているフランスが消滅してしまう」と述べた。
フィヨン氏が妻と子供たちに勤務実態がほとんどなかったにもかかわらず、議会アシスタントの給与として公金から90万ユーロ(約1億1000万円)余りを支払ったとされる報道を受け、共和党員の間では依然として候補者を差し替えるべきか意見が割れている。
フィヨン氏は3日に動画を公開し、出馬断念の意図はないと表明。汚名をそそぐために戦うと述べた。パリ・マッチ誌によると、同氏は今週の早い段階でテレビ出演する予定。週末に集会は開かなかった。
BVAが4日発表した世論調査によれば、第1回投票でルペン氏の得票率は25%、マクロン氏は21-22%となる見通し。両氏とも決選投票に進む資格を得た場合、66%対34%でマクロン氏の勝利が見込まれている。フィヨン氏の第1回投票での予想得票率は18-20%。
原題: French Candidates on Offensive as Fillon Campaign Stumbles(抜粋)
(2017/2/6 17:30)