[ 政治・経済 ]
(2017/2/9 10:00)
(ブルームバーグ)トランプ米大統領は8日、入国を制限する自身の権限が裁判所に問われるべきではないと主張した。現在、サンフランシスコの連邦高裁では3人の判事団が、イスラム圏7カ国からの入国制限を復活させるかどうか審理している。
トランプ大統領はワシントンで開かれた警察署長や保安官との会議で、「あらゆる類いの」外国人の入国を禁じる大統領権限を定めた法規を読み上げた後、「差し止めや制限など何でも望み通りにできる。ここに、これ以上ないほど分かりやすく、かつよくまとめられている」と語った。裁判所の報道官によれば、サンフランシスコの連邦高裁は8日には判断を下さない。
トランプ大統領は8日朝、ツイッターで「これは当然政府が勝つべきケースであり、勝たなければ、国民が享受すべき治安・安全は決して得られない」と主張していた。
7日のサンフランシスコの連邦高裁での審問では、判事団が連邦政府側の弁護士に手厳しい質問を浴びせた。大統領令を全米で停止させた連邦地裁の緊急差し止め命令の効力を今後も認めるかどうかが争われているが、同日の審問では大統領が国家安全保障への脅威と見なす人々を排除する権限をめぐる憲法上と手続き上の争いの問題へとエスカレートした。
連邦高裁の判断は週内に示される可能性がある。しかし法律専門家の間でも予想が立っていない。シアトルの連邦地裁が今月3日に出した緊急差し止め命令の効力を認めるか、停止するか、あるいは一部を保持する可能性がある。いずれにせよ、敗れた側が連邦最高裁に上訴するのはほぼ確実とみられている。
主な争点は入国禁止の大統領令差し止めを求める権限が州政府側にあるかどうか、さらに禁止令はイスラム教徒を差別したものかどうか、大統領令をめぐり提訴したワシントン州とミネソタ州の住民が直接被害を受けたのかどうかの3点。
原題: Trump Defends Travel Ban After Hard Questions From Judges (3)(抜粋)
(2017/2/9 10:00)