[ オピニオン ]
(2017/2/17 05:00)
関西経済の浮揚に向けて、まずは地元財界が「どうすれば関西が一つになれるか」の議論をするべきではないか。
関西経済連合会と関西経済同友会は、先ごろ京都で「関西財界セミナー」を開いた。1963年(昭38)に第1回を和歌山県の白浜で開き、今回で第55回を数える。
全体テーマは「温故創新―総力でつくる未来」。保護主義やポピュリズムの胎動に従来の資本主義やグローバリズムが揺らぎつつある中にあって、国、企業、そして関西のあり方を2日間にわたり議論した。
国のあり方としては、日米同盟と自主防衛、外交の強化を求める意見をまとめた。企業のあり方では6人に1人いると言われる「子供の貧困」に注目し、社会革新の実現による解決を訴えた。さらに人工知能(AI)など新たな技術革新については、一般の正しい理解とビジネスへの導入が必要だと強調。企業ガバナンスでは「会社は社会の公器」という倫理観を生かすことを求めた。
「関西のあり方」についての議論では、新産業として「スポーツ産業」を掲げるとともに、その振興のために産学連携組織の必要性を説いた。さらに東京一極集中の是正という点では、東京を過度に意識することなく“アジアで輝く関西”を目指して「複眼型の国土」の核になると宣言した。
ただ、こうした未来を「総力でつくる」ためには、何よりも関西が一つになる必要があるのではないか。京都、神戸、大阪など多極からなる関西は「個々が個性を磨いて連携を」の段階で止まっている。
リニア中央・北陸新幹線などの広域インフラ、万国博覧会の他にも、先人らが築いた関西国際空港などのインフラ整備や多くの提言が基礎となり、新産業の芽が出始めている。一方で大阪市の人口減少が始まり、神戸市も人口で福岡市に抜かれた。ただ個性を訴えるだけで、これらの新芽を大樹に育てられるのか。何に集中するかを選択するためにも、関西が一つになることを目指すべきだ。
(2017/2/17 05:00)
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