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[ 科学技術・大学 ]
(2017/3/6 05:00)
東京大学大学院農学生命科学研究科の中山裕之教授と学習院大学、キリン(東京都中野区)の研究グループは、ビール原料のホップ(写真)が生む苦み成分「イソα酸」に、記憶障害などの症状を伴うアルツハイマー病の予防効果があることをマウスの実験で突き止めた。同病を持つマウスにイソα酸を含む餌を与えたところ、同病の原因とされる異常なたんぱく質「アミロイドβ」(Aβ)の脳内での沈着量を低減できた。
過去の研究で、赤ワインに含まれるポリフェノールに認知症予防効果があると報告されている。同様にビールやノンアルコールビールの適度な摂取が、アルツハイマー病予防につながる可能性がある。成果は米科学誌ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー電子版に掲載された。
加齢とともにAβが脳内に沈着する遺伝子改変マウスに、イソα酸を0・05%含む餌を3カ月間食べさせた。その結果、イソα酸を含まない餌を食べた群と比べ、脳内のAβの沈着量が3―5割程度低下した。分析の結果、脳内の老廃物や異物を除去する細胞「ミクログリア」がイソα酸により活性化し、Aβの沈着が減ることが分かった。
(2017/3/6 05:00)
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