- トップ
- 化学・金属・繊維ニュース
- 記事詳細
[ 化学・金属・繊維 ]
(2017/3/10 07:00)
(ブルームバーグ)欧州最大のコーティング剤メーカー、オランダのアクゾ・ノーベルは、米PPGインダストリーズによる209億ユーロ(約2兆5340億円)相当の一方的な買収打診を拒否した。併せて株価押し上げに向け、特殊化学品事業を分離する可能性も明らかにした。
アクゾは9日の 発表資料で、1株当たり83ユーロのPPGによる買収提案が自社を大きく過小評価していると指摘。提示額は8日終値を29%上回る水準だった。PPGがアクゾ買収を模索していることについては、ブルームバーグ・ニュースがこれより先に報じていた。
同社はさらに特殊化学品事業について、スピンオフ(分離・独立)を含むさまざまな「現状と異なる所有構造」を検討していると発表した。同事業の昨年の売上高は48億ユーロで、アクゾ全体の34%を占めた。
(ブルームバーグ)欧州最大のコーティング剤メーカー、オランダのアクゾ・ノーベルが分離を検討している特殊化学品事業を売却する場合、売却額は約100億ユーロ(約1兆2100億円)に上る可能性がある。事情に詳しい関係者が明らかにした。同社は米PPGインダストリーズによる209億ユーロ相当の一方的な買収打診を拒否した。
情報が非公開であることを理由に匿名で発言した関係者によれば、カーライル・グループやCVCキャピタル・パートナーズなど大手の未公開株投資会社のほか、エボニック・インダストリーズやBASFなどの競合企業から特殊化学品事業への関心を集める公算が大きい。アクゾは同事業のスピンオフ(分離・独立)を含むさまざまな選択肢を検討していると、9日発表した。
関係者によれば、アクゾはPPGから打診があった後、戦略的選択肢についてHSBCホールディングスとラザードから助言を受けている。特殊化学品事業のEBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)は約10億ユーロで、売却額はこれを10倍したものになる公算が大きいという。
CVCとエボニック、ラザードの関係者はコメントを控えた。アクゾとカーライル、BASF、HSBCからはまだコメントを得られていない。
原題: Akzo’s Chemicals Unit Said Valued at 10 Billion Euros in Sale(抜粋)
(2017/3/10 07:00)