[ 政治・経済 ]
(2017/3/21 10:30)
【パリ時事】安倍晋三首相は20日夜(日本時間21日未明)、フランスのオランド大統領とパリで会談し、核燃料サイクル政策を維持するため両国が協力していくことで一致した。高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)の廃炉決定を受けた措置。引き続き自由貿易を推進することも確認した。
両首脳は会談に先立ち、民生用原子力協力に関する合意文書の署名式に立ち会った。フランスが開発する実証炉「ASTRID」についての協力を強化することで、実用化に向けた知見を獲得していく。東京電力福島第1原発の廃炉に関しても協力を促進する。仏原子力大手アレバが設立する新会社に対する三菱重工業と日本原燃の出資についての署名式も行われた。
米国のトランプ大統領が保護主義を掲げ、英国の欧州連合(EU)離脱を称賛したことで、EUには懸念が広がっている。会談後の共同記者発表で、首相は「欧州統合が着実に力強く推進されることを支持する」と表明。日米欧が協力して自由貿易体制を堅持すべきだとの考えを強調した。
オランド氏は「多国間主義を支持し、保護主義を否定する」と述べた。両首脳は、日本とEUの経済連携協定(EPA)の早期大枠合意が重要との認識を共有した。
安全保障分野では、4月末に仏海軍の練習艦隊が来日し、米国、英国を加えた4カ国共同による初の訓練を実施することで合意。中国の海洋進出を念頭に、インド洋沿岸国の対処能力構築を協調して支援することでも一致した。
(2017/3/21 10:30)