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[ 科学技術・大学 ]
(2017/3/27 05:00)
東京大学大学院理学系研究科の関根康人准教授や野田夏実氏らの研究により、約40億年前の火星に大量の酸素が存在していたことが分かった。米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「キュリオシティ」が収集したデータの解析で明らかになった。大量の酸素の存在と同時に、40億年前の火星大気に占める二酸化炭素(CO2)の量が酸素の数十分の1で、厚いCO2の大気が火星を覆っていたとの通説を覆した。地球の酸素の由来は植物だが、火星における大量の酸素の供給源などについて関心を集めそうだ。
関根准教授らはキュリオシティが、大気中の酸素濃度が高い時に生成するマンガンの酸化物を砂岩中で見つけたことに着目し、マンガンの酸化実験と生成物の分析を実施。火星の砂岩中の成分から当時の火星の環境を実験室レベルで再現したところ、火星で見つかったマンガンの酸化物が生成するには、今の火星大気の数百倍以上の酸素が必要なことが分かった。40億年前の火星の酸素濃度は、20億年前以降の地球の大気における酸素の量に匹敵する。これは地球の生命が酸素で呼吸するために必要な最低レベルを満たしている。
当時の火星の酸素の供給源は今のところ不明だが、研究は酸素や液体の水など現在の地球に近い環境が火星にあった可能性を示した。関根准教授は「火星の大気は薄く高エネルギーの紫外線(UV)などが大量に降り注いでいる。火星の水はUVに当たり、水素と酸素に分解することで大量の酸素が発生したのではないか」と推測している。
(2017/3/27 05:00)
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