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[ 科学技術・大学 ]
(2017/3/28 05:00)
富士通研究所(川崎市中原区、佐々木繁社長、044・754・2613)は、光ネットワークの伝送性能を推定する技術を開発した。あらかじめ性能を予測することで、ネットワーク全体の伝送速度を約20%改善可能なことを示した。従来は性能を正確に計測できず、本来可能なはずの伝送速度に対し、制限された状態でネットワークを運用していた。米ロサンゼルスで開かれた光通信に関する北米最大の国際会議(OFC)で発表した。
光ネットワーク運用中の光信号のビット誤り率を観測し、ネットワークの特性を学習した上で、新たに追加する経路の伝送性能を高精度に推定する技術を考案した。
最大伝送距離が1000キロメートルの光ネットワークを模擬した試験用プラットフォームで評価したところ、推定誤差は15%以内だった。シミュレーションの結果、ネットワーク全体の伝送速度を改善できることを確認した。
これにより実際のネットワークにおいて、最大限に伝送速度を出せるようになり、高効率な通信インフラの実現につながる。
既設のネットワークに新しい波長を使って通信経路を追加する場合、従来は光ファイバーや通信機器の伝送性能を正確に測ることが困難だった。そのため、設計仕様値を基にして、安全な運用形態を想定して伝送速度を設定していた。
(2017/3/28 05:00)