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[ 科学技術・大学 ]
(2017/3/28 05:00)
【岡山】岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の松尾俊彦准教授と福山市民病院(広島県福山市)眼科の河田哲宏医師は、白内障の手術前に実施する結膜嚢(のう)培養(眼脂培養=用語参照)で細菌が検出される患者は、検出されない患者に比べて高齢で糖尿病の頻度が高く、過去に全身手術の経験が多いなどの傾向を明らかにした。術後感染が起こらない安全な白内障手術の計画と病院全体の院内感染対策に役立てる。
松尾准教授と河田医師は同病院で過去2年間、白内障手術を受けた576人の患者の結膜嚢の細菌培養の結果を調べた。その結果、168人が結膜嚢の拭い液で細菌が検出され、中でもブドウ球菌属という種類の細菌が多く検出された。
この細菌は院内感染対策で問題となる細菌という。細菌が検出された患者は高齢で糖尿病を持つことが多く、眼科以外の他の診療科で入院を伴う手術歴も多いと分かった。松尾准教授らは今回取得したデータを踏まえて、白内障手術前の除菌手順の確立につなげたい考え。
【用語】結膜嚢培養(眼脂培養)=下のまぶたを引っ張ると見える「しろ目(結膜)」の表面で普段はまぶた裏に隠れている“結膜のふくろ”である結膜嚢を綿棒でこすり、付着したものを培養して細菌が出るか調べる。
(2017/3/28 05:00)