[ 政治・経済 ]
(2017/4/8 08:30)
【パームビーチ時事】ロス米商務長官は7日、トランプ米大統領と習近平・中国国家主席の首脳会談後、経営破綻した東芝の米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の売却問題について「議題にしなかった」と記者団に語った。ただ、「経済とエネルギー調達、国家安全保障の観点から注視している」と表明した。
WHは3月末に米連邦破産法11条の適用を申請し、今後スポンサーを選定する。中国企業などがWH買収に関心を持っているとされ、米政府は機密技術の流出を警戒している。
ムニューシン米財務長官も記者団に、中国勢などが買収する場合、安全保障に関する影響などを審査する政府手続きの対象になると強調した。
北朝鮮核放棄へ協力強化、「深刻な段階」と米中首脳
【パームビーチ(米フロリダ州)時事】トランプ米大統領と習近平・中国国家主席は7日、フロリダ州パームビーチで2日間の日程で行われた首脳会談を終えた。両首脳は北朝鮮の核・ミサイル開発が「深刻な段階」に達しているとの見方を共有し、北朝鮮の核放棄に向けて協力を強化することで一致した。ティラーソン国務長官が記者団に明らかにした。
同長官は、トランプ、習両氏は朝鮮半島の非核化への取り組みをめぐり幅広く意見交換したものの、問題を解決する包括的な案を話し合うまでには至らなかったと説明。トランプ氏が「中国の協力が得られなければ、独自の方策を立てる用意がある」と迫ったことも明らかにした。
トランプ氏はまた、習氏に対して中国が進出する南シナ海と東シナ海で国際的な規範を順守する重要性を強調した。一方、習氏は米国が実施したシリア・アサド政権への攻撃について、トランプ氏に「理解」を示したという。
経済分野では、米中の貿易不均衡の是正を目指す方針で一致した。是正のための「100日計画」を策定し、米国の対中輸出拡大策などを具体的に協議することを申し合わせた。
トランプ氏はこれまで「巨額の(対中)貿易赤字と雇用喪失を容認できない」と、中国に対応を求める構えを表明してきた。習氏の側も対米経済関係の安定を重視し、不均衡是正に理解を示したとみられる。
(2017/4/8 08:30)