[ その他 ]
(2017/4/11 05:00)
「第29回中小企業優秀新技術・新製品賞」(りそな中小企業振興財団・日刊工業新聞社共催、経済産業省中小企業庁後援)の受賞作品が決まった。応募総数318件で、厳正に審査された結果、中小企業庁長官賞1件、優秀賞12件、優良賞12件、奨励賞12件の計37件が輝いた。一般部門は長官賞1件、優秀賞10件、優良賞10件、奨励賞10件の計31件。ソフトウエア部門は優秀賞2件、優良賞2件、奨励賞2件の計6件。どれも中小企業の技術力、独自性を発揮した作品に仕上がっている。
【一般部門】
《中小企業庁長官賞》
■ナガセインテグレックス/超精密成形平面研削盤 SGC-630PREMIUM
テーブル運動(左右600ミリメートル)の真直度精度0・2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)を達成した。左右軸、上下軸、前後軸、砥石(といし)軸のすべてを摺動(しゅうどう)面が非接触の油静圧案内にしたほか、左右軸と前後軸には独自の冷却断熱構造を組み込んだ超精密リニアモーターを採用して送りを滑らかにした。剛性も向上。重研削による粗加工から超精密仕上げまでカバーする。
この精度を達成するため、油静圧案内の製造工程を約20年ぶりに刷新した。機械加工と組み立ての技術者によるチームで、精度誤差の原因となる工程を見直した。例えば重要部品の案内面の加工時のセッティング方法を改善し、このための専用治具も開発した。作り手が先導し、設計がサポートすることで達成にこぎ着けた。
独自ソフト「スマートアングルアップ」により、直角面を自動研削加工できる。加工対象物(ワーク)の前後、左右の垂直角の傾きを計測し、直角になる仮想水平面に補正する。直角加工精度0・78マイクロメートルを誇る。また繰り返し位置決め精度が高いため、平面度、平行度、直角度などを機上計測できる。一台で汎用の研削加工、直角加工、測定の三役をこなせる。
ポンプや温調機を制御して省エネしたり、室温の変化に応じて機械精度への影響を最小限にしたりする「スマートサーモニクス」も搭載した。まさに日本のモノづくりの10年後を見据えて性能の極みを追求した次世代機だ。(岐阜県関市)
(2017/4/11 05:00)