[ オピニオン ]
(2017/4/20 05:00)
この季節になると近所のクリーニング店から期間限定の割引券が送られてくる。コートを脱いで、厚手の背広もだんだんと着なくなる。タンスにしまい込む前にきれいにしましょうというわけで、クリーニング業界にとっては書き入れ時だ。
悩むのがネクタイ。自分でつけていると目につく汚れも、タンスにかけると分からなくなる。結局、わざわざクリーニングに出すほどでもないような気がしてくる。
ネクタイの衣替えは5月。クールビズがすっかり浸透し、1年の半分近くはネクタイを着けずにすむようになった。そうなると購入意欲も下がる。気に入りの数本だけを取っ替えひっかえ着ける傾向が強まる。国内生産数はクールビズ開始前の3分の1以下に減ったそうだ。
ネクタイには効能もある。きゅっと締めれば気分も引き締まり、冬場は襟元の防寒になる。メガネのレンズの曇りを拭くのに重宝する。居酒屋で鉢巻きのように頭に巻けば、知らない人から声をかけられて仲良くなれる確率がぐっと高まる。
半年後のクールビズ終了時まで、タンスでぶら下がっている少数精鋭のわがネクタイたち。やはり、せめてしまう前にはクリーニングに出してきれいにしてあげることにしよう。
(2017/4/20 05:00)