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[ エレクトロニクス ]
(2017/4/27 05:00)
東芝は2018年をめどに、ヘリウムガスを充填させたハードディスク駆動装置(HDD)を開発する。ヘリウムガスが発熱を抑制することで、大容量化を実現できる。記憶容量は14テラバイト(テラは1兆)を想定しており、長期保存に適した大容量タイプのHDDでは業界最大クラスとなる。データセンター(DC)などのサーバー向けに投入する。
東芝はHDD事業で19年度に売上高3600億円を目指している。今回の新製品投入などにより、サーバー向けHDDの売上比率を16年度予想から20%に倍増する。
これまで東芝はモバイル端末やパソコン向けの8テラバイト以下のHDDを強みとし、この分野で30%のシェアを維持する。ただ近年はパソコンやモバイル市場の縮小に伴い、生産台数が低迷している。このため、今後はサーバー向け市場の攻略が課題となっている。
開発するHDDは記憶容量が14テラバイトでディスク9枚で構成する。通常の空気ではなくヘリウムガスを利用することで、空気抵抗が下がり、HDDの発熱を抑制できる。発熱量を削減することでディスクを9枚並べることが可能となり、大容量化を実現できるという。
現在、東芝は最大でディスク7枚入りの10テラバイトのHDDを販売しており、近年はサーバー向けなどで生産が堅調に伸びている。月産約30万台で推移しているが、最近は10万台ずつ生産量が増加しているという。
写真や動画を扱うクラウドサービスの普及に伴い、今後もHDDの需要は広がる見込み。特にDCなどでは、頻繁に読み書きやアクセスがされない「コールドデータ」の長期保存の需要が増えるとされている。
(2017/4/27 05:00)