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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/5 05:00)
近畿大学工学部の今井喜胤(よしたね)准教授らは、希少金属のユーロピウムを用いて、3次元立体映像を映し出すのに使う「円偏光」の発光体を開発した。溶液の種類に応じ、光の回転方向を制御できる。一つの発光体で左右両方の回転の円偏光をだせるため、3次元表示用有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)ディスプレーの製造コスト削減やエネルギー効率改善につながるとみている。
研究グループは発光性ユーロピウム錯体の中心原子に、表裏で原子配列が異なる面不斉の分子を結合。光学活性の配位子として面不斉の「ジフェニルホスフィン配位子ファンホス」を使用し、赤色の円偏光(らせん状に回転しながら進む光)の発光体の開発に成功した。
クロロホルム溶液中では円偏光発光が左回転、アセトン溶液中では右回転となることも確認。溶液を変えるだけで回転方向を制御できる。
ベースの元素を入れ替えるだけで、光の色を変えられる円偏光発光体の開発を目指す。
(2017/5/5 05:00)