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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/11 05:00)
東京大学大学院総合文化研究科の井口雄介大学院生は、新居陽一助教、小野瀬佳文准教授と共同で、強磁性と強誘電性を併せ持つ「マルチフェロイクス材料」を使い、マイクロ波の非相反性(ある方向に伝搬する電磁波の特性が逆方向に伝搬する場合とは異なる現象)を電気的に制御することに世界で初めて成功した。将来、電気的に切り替えできるアイソレーターなどの高機能なマイクロ波素子の実現が見込める。
英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。
マルチフェロイクスは、磁性によって誘起された強誘電体。磁気モーメントがらせん状に並ぶと強誘電性を発する。このような物質中では、強い電気と磁気が相関し、通常の物質中とは違う電磁波の伝わり方を示す。
今回、このマルチフェロイクスの性質を利用し、非相反性を電気的に切り替え可能なことを確認した。
非相反性とは、透過強度が伝搬方向に依存する性質のこと。マイクロ波領域ではこの性質を利用した素子がすでにあるが、透過できる方向は固定され、切り替えができなかった。
(2017/5/11 05:00)