[ ICT ]
(2017/5/27 17:00)
【烏鎮(中国浙江省)時事】米グーグル傘下、英ディープマインド社が開発した囲碁人工知能(AI)「アルファ碁」と、「世界最強」とされる中国人棋士、柯潔(か・けつ)九段による3番勝負の最終局が27日、中国浙江省の烏鎮で行われ、黒番のAIが中押し勝ちした。AIは3連勝した。AIと人類の頂上決戦として世界的な注目を浴びた同シリーズは、AIが圧倒的な強さを見せつける形で幕を閉じ、目覚ましい進化を続けるAIが、囲碁の世界でも人間を凌駕(りょうが)したことが浮き彫りになった。
初戦は、序盤から果敢に攻めた柯九段にAIが完璧に対応。終始勝負をリードしたが、終盤に緩んだ手が増え、結果は半目の僅差で敗れた。第2局は中盤まで互角のせめぎ合いが続いたが、終盤、勝ちを意識し力んだ柯九段がミスを連発。AIが一気に優勢を広げ、連勝を決めた。
アルファ碁は昨年3月、韓国のトップ棋士との5番勝負に4勝1敗で圧勝。当時は「AIがトップ棋士に勝つにはまだ10年はかかる」とみられていたが、自ら学習を積み重ねる「ディープラーニング(深層学習)」技術によって驚異的な成長を見せ、世界を驚かせた。
昨年末からインターネット上での対局に現れ、世界のトップ棋士に60連勝した「マスター」という謎の打ち手の正体がさらに進化したアルファ碁であることが後に公表され、今回のシリーズの行方に注目が集まっていた。
(2017/5/27 17:00)