[ ICT ]
(2017/5/27 23:30)
次は医療などに役立つ汎用アルゴリズム開発
米グーグル傘下の英ディープマインドが開発した人工知能(AI)「アルファ碁」と、世界最強の囲碁棋士である中国の柯潔(か・けつ)九段による世紀の3番勝負。27日の対局で3連勝を果たしたアルファ碁は、その圧倒的な強さを支える変化への対応力、そして進化のスピードを世界に見せつけた。
今回の完全勝利を受けて、ディープマインドのデミス・ハサビスCEOは声明を発表。「アルファ碁は競争プログラムとして、なし得る頂点に達した。研究チームは次のステップとして別の大きな課題にエネルギーを注いでいく」と述べ、アルファ碁と人間との対局の終了を宣言した。今後は先端的な汎用アルゴリズムの開発を通して、難病治療や大幅な省エネ、革新的な新素材の発明などにAIを役立てていくという。
囲碁界に貢献へ、改良点や対局時の分析まで公開
声明によれば、囲碁の対局からは退くものの、囲碁界の発展と囲碁AIの開発に役立つよう、アルファ碁の知見を公開する方針。今回の改良によって大幅に効率化されたアルゴリズムの詳細などを盛り込んだ学術論文を年内に発表する。さらに、囲碁の教育ツールづくりにも取り組み、どこに石を打つかについてのアルファ碁自身の分析も紹介する。最初の教育ツールの作成については、今回の対局を対象に柯九段が共同研究者となることで合意しているという。
アルファ碁は実力向上のために何百万回も自分自身との対局を重ねており、それをもとにしたアルファ碁対アルファ碁の対局の50回分をウェブ上で一般公開する。すでに10回分は見られるようになっていて、毎日10回分ずつ公開する。
(2017/5/27 23:30)